タクシーの運転手さ 

 今はもうなくなってしまいましたが、私が以前よく通っていたサウナで会った人です。風呂で話しかけられたので、暇つぶしに診てやる事にしたのです。

 仮眠室で横になってもらい、身体を触った途端!あまりの冷たさに驚きました。というのも、この人は風呂から出たばかりだったからです。

 確かに、身体の色も普通の人と比べてかなり浅黒いので、恐らく肝臓でも悪いのかな?と思ったのも確かですが、それ以上に、私が思っていたよりもかなり重症の冷えでした。

 普通の人でしたら、風呂から出て少しくらいエアコンの中に居ても、身体が冷たいとは感じませんが、その人の場合は触った瞬間に冷たいと感じたので、これは大変な人に声を掛けられてしまったな!と思ったのです。

 案の定、身体全体が石のように硬くて、殆ど筋肉にも張りがありませんでした。年齢的には私より少し上という感じでしたが、身体は既に70代です。

 この人の場合もかなり重症の冷えですが、急激に来たものではなく、慢性的な冷えである事が直ぐに解りました。それは、筋肉の張りが殆ど感じられなかったからです。

 急激な冷えなら、短時間でも或る程度は何とかしてやれますが、慢性的な冷えの場合は簡単には元に戻す事が出来ません。

 それ以上に問題だったのが、ご本人が殆どと言っていいくらい運動をしていなかった事と、毎日長い時間エアコンの中にいる事です。

 その為、すっかり筋肉が落ちてしまい、余計に冷えが悪化してしまったようです。

 身体全体から感じた事と、ご本人の雰囲気からタクシーの運転手さんである事が解りましたので、マッサージが終わった後、ご本人の口からタクシーの運転をしていると聞かされた時はやはりそうか!と思っただけでした。

 この人の場合は、自分から進んで運動をしている様子も感じられませんし、、誰かがしてくれるだろう!という甘い考えを持っていたので、これでは少しも身体は良くならないな!と感じました。

 毎日エアコンの中に居る方でも、適度な運動をしたり、少しでも冷え過ぎないようにしていれば、此処までは悪くなる事はありません。

 冷えが慢性化しない為にも、日頃から適度な運動を心掛け、少しでも体力をつける必要があると改めて感じました。