悲しみと歓び、そして怒りと憎しみ

苦しさに耐えているよ笑っちゃおう、きっと元気がやって来る


 それまで私を虐めていた上司が異動した後も、少しも気持ちの晴れる事はありませんでした。

 そんなある日、ふと鏡を見ると、自分自身が驚くほどひどい顔をしていました。

 毎朝、顔を洗っても鏡を見る事はありませんでしたし、髭も電気カミソリなので、手の感触だけでそっていましたので、じっくりと鏡を見るという事がなかったのです。

 と言うより、鏡を見る気になれなかった。と言った方が正しいかも知れません。

 そこまでこころも身体もボロボロになっていたのです。

 そんな自分に気がついた時、何時でもこんな顔をしていたら、誰だって嫌な気分になるし、誰からも声を掛けられなくても当然だな!と思いました。

 その為、一念発起して、それまでの自分に決別する事にしたのです。

 その時から、例えどんなに辛くても人前では思い切り明るく振る舞ってやろう!と心に決めたのです。

 辛ければ辛い程、苦しければ苦しい程、意地でも笑ってやろう!と。そして、誰に会っても大きな声で挨拶をしようと決めたのです。

 そんな事を繰り返している内に、誰彼となく声を掛けてくれるようになり、少しずつ私の人生は変わり始めました。

 その時の事を思い出して作ったのがこの短歌です。

 短歌が幾つかまとまった時に、何となく栞に作って知人に渡しました。それが、何時しか多くの人達の貰われて行き、色々な話が私の耳に届くようになりました。

 そんな中で、私のこころを大きく揺さぶったのでが、リュウマチで苦しんでいたお爺ちゃんの話です。

 知人から栞が欲しい!と言われ、まとめて渡した中にこの言葉を書いた栞が入っていました。

 知人がそれをリュウマチで苦しんでいるお爺ちゃんに渡した処、そのお爺ちゃんが涙を流して歓んだそうです。

 そして、暫くしてからとても元気になったという話をその知人から聞かされました。

 そんな知人の話を聞いた時、もっと多くの人に読んで貰えたら!という想いが頭を持ち上げました。そして出来たのがこのホームページです。



焦る気持ちが怒りを招き、こころのゆとりが笑顔を招く

 この短歌の背景には私自身の激しい怒りと憎しみの気持ちがあります。

 それは、私を虐めていた元、上司だった人間に対するものです。

 何時ものように車で職場に向かっていた時、突然!赤信号を無視して一台の自転車が突っ込んで来ました。

 急ブレーキを掛けると同時に、クラクションを激しく鳴らして、相手に注意を促しました。

 何とか自転車にぶつかる前に止める事が出来ましたが、もう少し気づくのが遅れたら完全にはね飛ばしている処でした。

 相手は私がクラクションを鳴らしたのが気に入らないと、私を睨んでそのまま走り去りました。

 それを見た時、私はほっとすると同時に、激しい怒りが込み上げて来ました。

 これが、何も知らない相手なら諦めもつきすが、私を虐めていた人間だったので、怒りが何倍にも膨れあがったのです。

そして、その日一日、私は激しい怒りと憎しみの感情に苦しめられたのです。

そんな苦い思い出のある短歌です。