カタツムリのように

カタツムリのようにゆっくりと歩いてゆこう!
焦る事はない、だって今は歩けるのだから

歩けなくなって初めて知った、歩ける歓びを
歩けなくなって改めて感じた、健康の有り難みを

以前にも歩けなくなった事はある
でも、その時は必死に歩いている内に、何とか歩けるようになった
今は違う!痛む脚を引きずりながら、必死になって歩いている

ベッドに縛り付けられ、身体の自由を失った時、初めて歩けない辛さを知った
歩けるって何て素晴らしい事なんだろう!

今は未だ、まともに歩く事は出来ない。
でも、いつかきっと走れる時が来る

そんな日を夢見て黙々と歩く
まるでカタツムリが這うように、ゆっくり、ゆっくりと

慌てて歩こうとしたら直ぐに転んでしまう
それでも、自分の足で歩けるだけ幸せだ

だって、歩きたくても歩けない人をたくさん見て来たから
一生車いすのお世話にならなければならない人も居るから
杖なしでは歩けない人も居るから

でも、自分は二本の足で歩けるのだから
例え今は不自由でも
今はただ黙々と歩いてゆこう!
しっかり前だけを向いて

ずいぶん遠回りをしてしまった
でも、何も気にする事はない
だって道は真っ直ぐではないから

時には曲り、時に上り、何時だって平坦ではない
山があるから谷があり、上りがあるから下りがある

トンネルの向こうに明るい光が差すように
何時までも辛い事ばかりではない

苦しみや悩みを乗り越えたら、きっと歓びが待っている
自分の明日を信じて、歩いてゆこう

カタツムリのように、ゆっくり、ゆっくりと
時には回り道をしながら