エアコンが怖い!

 私は元々寒がりだったので、冬になってから少しでも楽になるようにと思い、常に冬に照準を合わせて健康管理をして来ました。
 
 過去の、体験から、夏場に身体を壊すと冬になってから余計に寒さを感じるので、夏場はできるだけ体力を落とさないようにしっかり食べ、水分の補強と運動は欠かさないようにしていました。

 そして、エアコンの中では常に上着を着て、身体を冷やし過ぎないように心掛けて居ました。それは、私の仕事が一年を通じで外で身体を使う関係で、極端な温度変化による心臓の負担を軽減する為にとっていた行動です。

 仲間にはよく笑われましたが、それしか自分を守る方法がありませんでした。

 それが、何時の頃からか、エアコンの中に1時間も居ると骨まで痛み出すようになってしまったのです。

 普通の人は気持ち良い!と言いますが、私にとってエアコンは苦痛でしかなかったのです。それなのに、外気の温度が35度近くなっても、特に辛いとも思わずに仕事をしていたのです。

 ところが、一旦、エアコンの中に入ると、途端に寒くて震えてしまうのです。まったくおかしな話です。

 特に辛かったのが、雨の日です。

 雨の日は殆どの場合、事務所で書類の整理をなどをしていた関係で、一日中エアコンの効いた部屋に居なくてはならなかったので、どんなに厚着をしても体中が痛くなってしまうのです。

 その為、昼休みになるのを待って、近くのスーパー銭湯へ出掛け、始めに低温サウナで身体を元に戻し、その後、高温サウナで身体を温めるという事をしていました。

 最悪なのが映画館です。

 子供にせがまれて仕方なく連れて行きましたが、家を出る前に長いズボン下を穿いて、メリヤスの半袖シャツを着てから、厚手のポロシャツを着たのです。

 日頃はクレープのシャツしか着ない私ですが、この時ばかりは真冬でも滅多にしない服装になるのです。

 勿論、デイパックには防寒の為の衣類や膝掛けを入れて持って行きます。

 車に乗っている時は窓を開けていますので少しは楽ですが、駐車場から映画館までの僅か5分の道程が辛いです。それは、照りつける太陽で背中にうっすらと汗をかいてしまうからです。

 ところが、映画館に足を一歩踏み入れた途端!状況は一変します。

 建物に入っただけで身体が一気に冷えてしまい、座席に座ったと同時に、デイパックから防寒用のジャンパーを取り出して着た後、帽子を被り、手袋をして、最後に膝掛けを掛けるのてす。

 そこまでしないと、映画を最後まで見る事が出来なかったのです。その為、出来る限り、夏場の映画館は避けるようにしていました。

 映画館ほどではありませんが、列車で旅行に出掛ける事も上着と帽子は欠かせませんでした。それは、例え短時間であっても、上着なしでは身体が痛くなってしまいますし、帽子を被らないとエアコンの冷気で頭が痛くなるからです。

 そんな事が何年も続きましたが、原因はまったく解らないままでした。

 ところが、動脈硬化と診断され、治療が始まってから次第に身体が楽になり、何時しかエアコンが苦にならなくなったのです。

 私の動脈硬化はストレスが原因の過食によるものですが、まさか、ストレスが原因でこんな事になるとは思ってもみなかっただけにとても驚いています。

 何時になったら元の身体に戻るか解りませんが、原因がはっきりしただけでも有難いなと思っています。