バリアフリーとユニバーサルーデザイン

    

   バリアって「障害、妨げになるもの」という意味だと言われてますが、ご存じですか?

   その「妨げになるもの」を「取り除く」というのがバリアフリーだと思ってください。
   
   階段があると車椅子の人が通れない。だから、スロープをつけましょう。っていうやつです。
     

   では、「水廻りのバリアフリー」って何でしょう?

   水廻りっていえば・・・トイレ・浴室・洗面・台所・・・ですよね。
    
   生活の中で、必ず関わっている場所です。なかったら困ります。
     
   そんな水廻りのことから見直してみましょう。

 

▼バリアフリー   

 最近の新しい住宅は家庭内の段差がないようになってきました。

 でも、平成7年改築の我が家でもトイレの入り口の段差は7cmもありました。
  
 当時はバリアフリー住宅にしたくても「建具が規格外で高額になる」という理由でできなかったのです。
  
 一部のハウスメーカーでは、すでに取り組んでいたのですが、やはり価格の差があったようです。

 浴室も最近では段差がないのが当たり前になり、とにかく、「段差」というバリアはなくなりつつありますが、
  
 既築の家ではまだまだ、この段差がバリアとなっているのが現状です。
  
  
 段差以外のバリアではなにがあるでしょうか?
   

 たとえば、あなたが「ぎっくり腰」になったとします。和風の便器で用をたすのは大変な事でしょう。

 手すりがあれば、なんとか。。。腰掛け式の洋風便器なら、もっと助かりますね。。。

 ・・・実はぎっくり腰の経験者なのです(^_^;)
 
 洋風便器でも用を済ませたあとに、振り返ってレバーを引いて、流して、手を洗う。
  
 なんのことはない動作もナミダナミダの苦痛を伴います。
 
 着衣を整えるにも「くぅぅぅ〜〜」といううめき声を漏らしながら・・・(^^;; ヒヤアセ 

 洗面所や台所にたっても、苦しいぎっくり腰。
 
 家族でもいれば助けてもくれますが、主婦や一人暮らしではそうもいきません。
 
 不慮の事故や疾患などで体の一部分が不自由になったとしても、この水廻り関連の生活動作はたくさんありますね。
 
 そういう「不自由を持ったときにバリアとして感じる部分を改善する」のがバリアフリーです。
 
 つまり、今あるバリアを取り除くことです。
  
   

▼ユニバーサルデザイン

 では、ユニバーサルデザインってなんでしょう?
 
 一言で言えば「すべての人に使いやすいデザイン」です。
 
 つまり、バリアのないデザインですね。
 
 「なぁんだ!じゃあバリアフリーと同じじゃん!」と思うかもしれません。
 
 違うんですね〜。これが!
  

 バリアフリーは「今あるバリアを取り除く、改善する」なのですが、
 
 ユニバーサルデザインは「最初からバリアをつくらない」という違いがあります。
  

 水廻りで言えば、最近、時々見かける「ファミリートイレ」です。
 
 昔で言えば、「障害者用トイレ」もしくは「車椅子用トイレ」ですね。
 
 どこがどう違うの?今までは、車椅子の人が使うトイレとされてきました。

 確かに車椅子の人は、あのように広い空間がなければ、車椅子で入室し、
 
 旋回して便器に移乗するということができません。
 
 また、手を洗うにも、車椅子のまま、手洗いできなければいけません。

 車椅子用トイレがあることで、車椅子の方たちも気軽に出掛けられるようになりました。
 
 バリアはなくなった(少なくなった)わけです。
 
 ですがその反面、「車椅子の人はあっちのトイレ。健常者はこっちのトイレ。」という別の見えないバリアを生み出していました。
  

 この別の形のバリアをもクリアしたのが「ファミリートイレ」「だれでもトイレ」です。
 
 誰でも自由にこのトイレを使えます。
 
 小さなお子さんを連れたお母さんやお父さん、車椅子ではないものの、
  
  介助の手が必要なお年寄りや軽度障害者・たくさんの荷物を抱えた買い物客など、
 
 差別なく使うことができる、ユニバーサルデザインであると言われています。
 
 しかし、その専有面積が広いことから、どうしても絶対数が足りません。
 
 「誰でも」使えますが、やはり「車椅子優先」にすることは、人として当たり前の「心の問題」であることは忘れないでください。 
 
 

 このように、ユニバーサルデザインは「もの」だけではありません。
 
 人種・性別・年齢・障害の有無など、「すべて」を受け容れる、いわば形のないものです。

 

静岡県では「しずおかユニバーサルデザイン5つの柱」として、

(1) ユニバーサルデザインの考え方の普及〔こころのUD〕
(2) すべての人が暮らしやすいまちづくり〔詳しくは、まちのUDのページへ。
(3) すべての人が使いやすいものづくり〔詳しくは、もののUDのページへ。
(4) すべての人に配慮したサービス・情報の提供〔詳しくは、サービス・情報のUDのページへ。
(5) すべての人の社会参加の促進

 を挙げています。(静岡県:しずおかユニバーサルデザイン室HPより)

 

 まちや、ものを考えるときに、すべての人に使いやすい計画をたてる。
 
 サービスや情報はすべての人に平等に行き渡るように、物理的に不可能な部分を補うのはこころで。。。

 家庭内のバリアフリーとユニバーサルデザイン、もう一度見直してみませんか?

 


    

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