マッテオ・ガローネ監督

ファンフリー・インバラート
サルヴァトーレ・アブルッツェーゼ
サルヴァトーレ・カンタルーボ
カルミネ・パテルノスタル
トニー・セルヴィロ

イタリア、ナポリを主な拠点とする都市型の暴力、犯罪企業集団カモッラ。ドラッグの売買、産業廃棄物の不法投棄、オートクチュール・ファッションの製造などで不正な利益を得ている。  敵対する組織の抗争が絶えない地域で育ったトトは、度胸試しの恐ろしい儀式を経験する。組織の一員となり悪事に手を染めるトトにある指名が下る。  大好きな裏社会もの〜〜♪なんていうルンルン気分はすぐさま吹き飛ばされました(汗)

 カンヌ国際映画祭グランプリ作品です。イタリアの新興マフィア カモッラの実態を描いた映画です。原作のロベルト・サヴィアーノは自らカモッラに潜入して調査したそうです。その為カモッラから命を狙われ、今も24時間警察の保護下におかれています。恐っ!@@監督は大丈夫なのかな?心配になります(^_^;)  
  フィクションですが、実際にこういう事やってますよ〜的なリアルさがひしひしと伝わってきます(^_^;)  オープニングから衝撃的、いつもなら掴みはOKなんでしょうが怪しいネオンがともる映像に言いようのない恐さを感じました。なんかこの映画違うぞ(汗)
 カモッラの活動はドラッグの売買だけでなく、産業廃棄物の不法処理やファッションの製造などもおこなっていて、莫大な不正利益を得ているといいます。  産業廃棄物処理は、カモッラの関係者二人が宇宙服のようなもをを着ていたのをみてもかなり危険なものと思われます。クロム、アスベストの文字もでてきました(汗)そこで見たのは少年たちが大型トラックを慣れたハンドルさばきで運転する光景@@希望を抱いてアシスタントとして働くことのなったロベルト(カルミネ・パテルノスタル)は、現場を目の当たりにして疑問を抱いていきます。やがて彼が下した決断がこの映画の中で唯一の救いでした。 産業廃棄物処理を仕切っているフランコ役のトニー・セルヴィッロ(「湖のほとりで」に出演)は存在感がありました。
 仕立屋のパルカルの秘密の行動に対する組織の報復では、組織の恐さを思い知らされました(汗)組織に従わないものは排除されてしまうのです。
 13歳のトトが組員になるために経験した儀式は、もはや度胸試しとは言えないレベルのものでしたね@@やがて悪事に手を染めていくトト、組織からのとても非情な指令をやり遂げた彼の冷たい表情には何の感情も感じられませんでした。そうやって少年たちはカモリスタ(かわいい響きだけど組員のこと)になっていくのでしょうね。  敵対する組織の抗争も絶えないらしく、巻き込まれてしまうこともあります。防弾チョッキに身をつつみいつもおびえたような表情の組織の帳簿係ドン・チーロ(ファンフリー・インバラート)の姿が印象的でした。
 マフィア映画を堪能なんて考えてましたがカッコイイ演出なんてまったくなく、本物の恐さにただただ驚きとショックを受けました。カモッラの人たちがみなメタボ体型なのが気になる(笑)  まさに命がけの潜入調査によって知ることができたカモッラの世界、興味深く観賞させていただきました^^
 ちなみに「ゴモラ」は旧約聖書に記された悪徳の町ゴモラになぞらえているそうです。怪獣ゴモラの名前の由来もここからなのかな?(^_^;)