アントワン・フークア監督

リチャード・ギア
ドン・チードル
イーサン・ホーク
ウエズリー・スナイプス
ウィル・パットン
エレン・バーキン

  ニューヨーク、ブルックリン。20年の勤務が終わろうとしている退職目前のベテラン警官エディ(リチャード・ギア)は退職まで1週間を残し、波風を立てずに過ごしてきた自信の人生に空虚間を抱いていた。信仰深く家族思いの麻薬捜査官サル(ウーサン・ホーク)は病気の妻と子供のために新しい家の購入を約束してしまう。しかし警官の安い給料では頭金の工面もままならず、目にする大金を前に正義感が揺らいでいた。潜入捜査官として長年ギャングに潜入を続けるタンゴ(ドン・チードル)は妻に離婚を突き付けられ成果を上げてもなお昇進できず、精神的にも限界を感じていた。3人の運命は警官の起こした強盗事件により思わぬ形で交わることになる。

 チラシの3人の重たそ〜な雰囲気に惹かれました(笑)やはり重かったけど面白かった!かなり好きなタイプの映画です^^
  リチャード・ギアは苦手だけどイーサンは好き、ドン・チードルはふつう。好みはどうでもよくて(^_^;)3人の演技が素晴らしく、彼らの内面にどんどん引き込まれていきました。
 麻薬捜査官のサルは家族のために買う家の頭金を調達することばかり考えていました。イーサン、「その土曜日〜」もそうでしたが、また追い詰められてましたね〜表情から切羽詰まった状況がひしひしと伝わってきて罪悪感と葛藤する姿がもう〜痛々しくて><
 潜入捜査官タンゴも、捜査に限界を感じ精神的に追い詰められていました。やはり長年捜査を続けると心を通わせる仲間ができるわけで、それがキャズ(ウィズリー・スナイプス)でした。絆ができてしまえばそれを裏切る決断は容易ではありません。捜査と友情の間で苦悩するタンゴ、ドン・チードルの遠い目が印象的でした。上司の二人の心ない態度には憤りを感じました。あのおばさん(もとい)女性捜査官(エレン・バーキン)、憎たらしかったですね〜少ないシーンでしたが存在感がありました。
 エディの場合二人のように追い込まれた状態というわではなく、感じるのは孤独と無気力。目立たぬように無難に勤めあげてきた最後に感じた虚しさ、それは正義感の強い新人警官に対する怒りにも現れていると思います。リチャード・ギア、窓際族みたいな役めずらしい気すがするけどすごくよかった。唯一の心の拠りどころ娼婦のチャンテル(シャノン・ケイン)に「パパ〜」とか呼ばれて本気になっちゃうあたり男の悲哀を感じました。
 最後に3人が訪れた場所(同じ)はそれぞれの運命が決まる場所でもありましたね。3人のエピソードの終結の場所が偶然一緒で、それぞれに緊迫した状況を映し出していく演出がうまいと思いました。
 3人の抱える問題は、犯罪多発エリアという背景も影響しているように思いました。虚しさが残るラストでしたが、それでも人に対する優しさが心に残る映画でした。